ポッドキャストの文字起こしのやり方|何に使うか別の選び方と、精度の上げ方
文字起こしは「読ませるため」だけのものではありません。編集の地図として使うのか、概要欄の材料にするのか、公開するのか。用途別のやり方と、精度を上げる収録側の工夫をまとめます。
「文字起こしをした方がいい」とはよく言われますが、何のためにやるかで必要な精度も手間も変わります。 まずそこを決めると、無駄な作業が消えます。
用途を3つに分ける
| 用途 | 必要な精度 | かかる手間 | | --- | --- | --- | | 編集の地図(どこで何を話したか探す) | 低くてよい | ほぼゼロ | | 概要欄・SNSの材料 | 中くらい | 少し直す | | 公開する記事・字幕 | 高い | しっかり直す |
一番見落とされているのが、1番目です。
多くの人は「文字起こし=人に読ませるもの」と思っていますが、 自分が編集するために読むのなら、多少の誤変換は問題になりません。 「えー」が何回あるか、どこで話題が変わったか、どこを切るか——それが分かれば十分です。
そして実は、この使い方が一番効きます。波形をズームして目当ての発言を探す作業が、 テキストを目で追うだけになるからです。
文字起こしの方法
大きく3つあります。
- 自動文字起こし(ASR)ツールを使う 数分〜十数分で結果が出ます。日本語の精度はツールと音質に左右されます。 まずはこれを試して、用途に足りるかを見るのが早いです。
- 外注する 精度は高いですが、費用と納期がかかります。公開する記事や字幕など、 完成品として出すものに向いています。
- 自分で打つ 最も正確ですが、実時間の3〜5倍かかります。短い尺以外では現実的ではありません。
「編集の地図」として使うなら、1番で十分です。
精度は収録側で決まる
文字起こしの精度は、ツールを乗り換えるより収録を整えるほうが上がります。
- マイクを口に近づける:距離が離れるほど反響と環境音が乗ります。最も効果が大きい項目です。
- 静かな部屋で録る:エアコン、冷蔵庫、外の車の音は、思っている以上に拾われます。
- 一人ずつ話す:同時に喋ると、どちらの言葉も崩れます。相槌は短く。
- 固有名詞はゆっくり:人名・商品名・専門用語は、誤変換の温床です。
- 複数人ならマイクを分ける:可能なら一人一本。話者の区別も付きやすくなります。
どれも収録前に済むことばかりで、あとからやり直せない部分です。
文字起こしを編集につなげる
文字起こしが手元にあると、編集の順番はこうなります。
- 文字起こしを開き、通して読む(聴き返すより速い)
- いらない一文・脱線・言い直しに印を付ける
- フィラー(えー・あの)を減らす
- 無音・長すぎる間を詰める
- 尺が確定したらチャプターと概要欄を書く
「読んで、消す」が編集そのものになるのが、この進め方の要点です。
よくある質問
Q. 日本語の文字起こしはどれくらい正確ですか? 音質・話し方・専門用語の多さで大きく変わります。同じツールでも、 マイクが近い収録と離れた収録では結果がまったく違います。 まず自分の収録環境で試して、用途に足りるかを確かめてください。
Q. 誤変換を全部直す必要はありますか? 用途次第です。編集の地図として使うだけなら、直す必要はありません。 公開するなら、固有名詞と数字だけは必ず確認してください。誤りが目立つのはその2つです。
Q. 文字起こしを直すと、音声も直りますか? ツールによります。文字起こしと音声が連動している編集ツールでは、 テキストから一文を消すと対応する音声も消えます。 連動していないツールでは、文字起こしはあくまで参照用で、音声は別途編集します。
Hanasu は、文字起こしを直すように音声を編集する日本語ポッドキャスト向けのエディタです。 テキストから一文を消すと、その部分の音声も一緒に消えます (文字起こし編集の機能ページ)。ご案内は待機リストへ。